ミールの漆黒の手に光がまとわりついて、やっぱりキラキラと輝いていたんだ。

あの輝きは嘘なんかじゃなかった。


「マリン、見える?」

「見えるよ」

ミールは優しくにっこり笑って、ごろごろと喉を鳴らした。

「これが、マリン、あんたの強い想いが結晶になったものよ」

「ぼくの想い?」

「…結晶ができるほど大きな想いを持ってきたのは、あんたが初めてよ、マリン」

ミールの優しい微笑みは、ぼくにどこかあんずの暖かさを思い出させた。