マリンブルー

言葉なんかなくたって、通じ合える世界がぼくたちの間には確かにあった。

第一、ぼくはあんずに向かって言葉を紡ぐことはできなかったわけだし。

あんずとぼくの体温が触れ合うその時に、お互いの気持ちは痛いほど伝わっていたと思う。


あんずは笑ってくれた。



実を言うと、あんずの笑顔はぼくの最高のごちそうだったんだ。