朝。

ぼくの目が覚めたら、大好きなあんずが玄関をカチャリと開ける。

それから、「おはよ」って小さく笑って、ぼくの首もとから耳にかけて優しくなでる。

そうだよね。

ぼくたちは、小さい頃からの相棒だから。

あんずはぼくのなでられたい場所をよく知ってるんだ。


今朝だって。

そうなるはずだったのに。


目が覚めたら、大好きなあんずはいなくて。


でもその代わりに、

きれいな漆黒の毛並みと澄んだ瞳を持つ黒猫が一匹。

ぼくを優しげに見つめて、

かたわらにちょこんと座ってたんだ。