マリンブルー

あんずはいつだって、優しい心を忘れない、笑顔が魅力的な少女だった。

その優しさは、時に損な役回りになって。

他人に気を配りすぎて、疲れちゃうことも多かったんだよね?


あんずが、ぼくの前だけで静かに泣くことがたまにあった。


ランドセルを背中でかたかた鳴らして走り寄ってきてた頃は、自分のためにしか泣かなかったのにね。