マリンブルー

朝、あんずは笑顔でぼくに手を振る。

「行ってきます!」

さらっと短い髪が揺れて、軽やかに走り出すあんずの足音がだんだんと遠くなるんだ。

ほんのちょっと寂しいけど。

ぼくはちゃんと、お留守番できる。



あんずが学校へ行っている昼間はお昼寝。

おひさまのぽかぽかした光を浴びながら、まどろむ。

ぼくたちも寝言を言うんだって、あんず、笑ってたっけ。


「昨日の夜、きゅ~ん、きゅんきゅん、きゅーーーん、って寝言言ってたよ、マリン。

犬も人間と一緒だね~。寝言、ずっと言ってたもん。

ね、マリン、なんの夢見てたの?ん?」


……あんずと一緒に遊んでた夢だなんて、絶対教えてやんないさ。