マリンブルー

ぼくは満足すると、寒いときに猫が丸くなるような形であんずの横にごろんと伏せた。

あんずを包むように。

さえぎるものなんか何もないあの場所で。

あの澄んだいたずらな瞳で、あんずはいつだって蒼く青く澄んだ空を見上げたね。


「ねぇマリン?

ここで寝転んで空を見てると、この世に私たちしかいないみたいだよね。

空しか見えないもん。

ほんと、綺麗。

空を飛んでみたいな。

あの鳥たちは、空を飛べて幸せなのかなぁ」


どうだろね、あんず。

でもさ。

絶対に、絶対にぼくの方が幸せだよ。

空を飛べる鳥さんたちよりも。

だって、こんなにあんずの近くにいるんだもん。

あんずの体温を感じるこの距離に。