「ありがと」

「うん」

「ね、マリン」

「ん?」

「会いたい?あんずちゃんに」

「会いたいよ。でも、無理なんでしょ?」

「わかんないけど……

でも、マリンはまだ死んでないよ」

「え?」


じゃあ、ぼくはどうしてここに?


「身体はあんずちゃんのそばにいる。

魂だけ、こっちにきてるの。

あたしがマリンの魂を天国に連れて行ったら、

マリンは……」


そっか。

まだ、死んでないのなら。

望みはあるのかもしれない。


「ねぇ、ミール。

ぼく、あんずに伝えたい想いが、まだ伝えられてない想いが、

たくさんあるんだよ。

寿命でしょ、ぼく。

ちゃんと分かってる。

だから、天国へ行くのはいいんだ。

だけど、その前に。

一度でいい、あんずに伝えたい言葉がある」