ストレス発散は喧嘩だった。 みんな弱いし。 喧嘩は本当に楽しい。 恋愛ゲームは刺激が欲しかった。 ただ、それだけ。 だけど、どれも本気になることなんて出来なかった。 だって本気になればなるほど、手に入らなかったときに辛いから。 一度だけ、本気で欲しいと思って手を伸ばしたことがある。 幼少期、両親二人に。 「行かないで。もう一人にしないで。」 そう言って手を伸ばした。 なのに。 二人はあっさり僕に背を向けて、その手を取ることはなかった。