ポチタマ事件簿① ― 都会のツバメ ―


「でも、たまたまカメラに気づいて見ただけかも知れないぜ? 他にもそういう人、映ってるし」
「ン~、それに午後六時頃で、所持品のない、五十歳くらいの男の人――だからよ」
 タマはそう言って、さっきポチが書き出した紙を指さした。
 その紙には、それらの情報が書かれている。
「ああ、そうか」
「……でも不思議よね」
 タマはあごに手を当てた。
「なにが?」
「ン~、鈴木さん、カメラに体ごと向いてるの。なんでかしら? まるで正面からわざと映りたかったみたい」
 カメラに気づいた人たちは顔や目線だけが向いている。
しかし、鈴木はさりげなく体ごと正面を向いていた。
 見比べると確かに不自然である。
 ポチがリコモンを操作し、映像がふたたび動き出す。
 鈴木は自動ドアの手前にあるインターフォンの前に立った。
操作パネルで部屋番号を入力し、マイクに向かって話す。
すぐに自動ドアが開いた。