ポチタマ事件簿① ― 都会のツバメ ―

「また勝手に……」
「でも見るんでしょ? ――ハイ」
 タマはDVDプレイヤーのリモコンをポチへ渡した。
「うん。……どうも引っかかるしね」
 ポチはリモコンを操作した。
 テレビには防犯カメラの映像が映し出される。
 エントランスの映像である。
 居住者らしき人、訪問者らしき人、管理人、セールスマン、郵便配達、宅配便、ほかいろいろ。
「――止めて!」
 タマの鋭い声に、ポチは即座に反応した。
「ちょっと戻して――もうっ、戻しすぎ! ――そう、ここ!」
 画面にはカメラに向いて映っている中年男性が一人。
「ねえ、この人じゃない? 飛び降りた鈴木さんって」
「――正解。なんで分かった?」
「オンナの勘」
「――で、本当は?」
「ちょ、もう少しノッてきてよ!」
「ハイハイ。――それで?」
 ポチのそっけないリアクションに、タマは、
「――防犯カメラの方を向いているからよ」
 と言って、頬を膨らませた。
 ポチは首をかしげる。