「――タマはどこまで知ってる?」
「ン~、常務の愛人が住んでいるマンションで飛び降りがあったってことだけかな?」
「えっ、愛人!?」
「もしかして、『常務の姪』が住んでるっていう話、信じてたの?」
「う、うん」
「あははっ。そんなのキミのとこの課長も知ってるはずよ」
「そうなんだ……」
課長が気にしていたのはこのことかも知れない。
ポチはそう思った。
「あたしが知ってるのはこれくらいかな。警察の聴取もあったんでしょ?」
「うん、実は――」
ポチは警察や管理人から聞いた内容をすべて話した。
ちょうど、自分自身でも情報を整理したかったので、紙に書き出してみた。
・鈴木達也(スズキタツヤ・五十歳)
・死亡推定時間 午後六時から十時の間(来訪時の防犯カメラ時刻から遺体発見までの時間)
・遺書なし
・所持品(財布や携帯など)なし
・エントランス(正面玄関)から入り、屋上から飛び降りた
・靴は履いたまま
・屋上の施錠は不明(かけ忘れか?)



