ご飯はいらないと伝えて、わたしは帰ってすぐに自分の部屋に閉じこもった。
お母さんは何か言いたげだったけど無視した。
察してほしい。
自分用に作っておいたもうひとつのザッハトルテ。
冷蔵庫から出して写真に撮って、ブログにUPする。
今日で片想いが終わったことも、一緒に書いているうちに頬が涙で濡れていた。
コメントは返せそうにないから、パソコンを閉じて立てた膝に顔をうずめる。
鼻まで垂れてきた。
誰も見てないから垂らしておこう。
「本当に、好きだったなぁ……」
棚からレシピ本を引きぬいて開く。
はじめて食べてもらったのは、レモンとチーズのシフォンケーキだった。


