「どうしちゃったんですか……?」


「なにが」


「なんか、宇佐美先輩変だから……」



宇佐美先輩は眉を寄せたあと、また前を向いて歩き出した。



「別に俺はいつも通りだよ」



そうだろうか。


でもわたしにヤンキー先輩を想うのをやめさせるのは、ヤンキー先輩の為になることだからおかしくないか。

ヤンキー先輩のことを「ずるい男」なんて言うのは、やっぱりちょっとらしくないとは思うけど。


それにどうしてヤンキー先輩が「ずるい男」になるのかな。




結局宇佐美先輩が、そのままわたしを家の前まで送ってくれて、「またね」なんて言ってそっけなく帰っていっても、


わたしは「ずるい」の意味をずっと考え続けた。














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