「まーまー二人とも落ち着いて。ケーキの用意をしたよ。みんなで食べよう。」


天王寺先輩はごく自然にケーキをお皿にのせていてそれを机の上に並べている。

しかも紅茶付き。


いつ、やったんだよ。

ここは天王寺先輩の家かよ。


「あ、ありがとうございます。」


一応文句もあるがそれを押さえてお礼を言う。

そして席についてケーキをあーん。


「ん!!さすが超人気店のケーキ!!美味しい!!」


私が食べたのはイチゴのショートケーキ。

すっごく美味しい。


「お前イチゴ好きなのか?」


私のお皿を見てそう呟く春樹。


「うん。美味しいじゃん?」


私のお皿のはじっこにはイチゴがおいてあった。


好きなものはあとに食べるタイプなんです。


「ふーん。」


ポイッ


「へ?」


春樹が自分のケーキからイチゴをとって私のお皿に投げる。


なんだかびっくりして変な声出しちゃった。


「お前が好きならあげる。」


「っ!!」


不覚にもドキンッ!!

春樹の癖にドキンッ!!


春樹は少しだけ私に笑っていた。