「ここは僕ですよね?」


「いや、俺だろう。」


二人のイケメンが私を真剣な眼差しで見ている。


いやいやいや!!

今はそれどころじゃないから!!


ほら!!

アンタたちの後ろ!!

魔物が飛びかかって来てる!!


「もう!!彩斗くんでも春樹でもいいから早く倒しなさーい!!」


「わかった。」


「はーい。」


私が叫んだ瞬間、二人は同時に後ろを振り向いて.....


シュッ


春樹はいつものように日本刀を片手に、彩斗くんは扇子を両手に全く同じタイミングで風を起こした。


魔物は消えて、元の世界に戻る。


「あっ、アンタたちねぇ....」


私の声が震える。


「二人一気に魔法を使うなって言ってんでしょうが!!私の体が持たないのよ!!」


フラッ


ほーら。

ちょっと立ちくらみ。


ガシッ


「ったく、わりー。」


「すみません。」


ふらついた私を右を春樹が、左を彩斗くんが支えてくれている。


「「......。」」


そして無言の睨み合い。


「やめなさーい!!」


なんでコイツらはこんなにも仲が悪いのよ!!