魔王の封印が施されている洞窟の前で立っている女の子に見覚えがあった。







綺麗な長い髪をみつあみにしている女の子。


彼女はいつもみたいにおどおどした態度ではない。






「やっぱり、一ノ瀬さんが魔王だったんだね」






ーーーー違う。魔王じゃない。







天王寺先輩の言葉を聞いて反応する心。





一ノ瀬さんが確実に魔王なはずなのに、どーして私は違うと思うのだろう。