拓弥と望は戸惑っている反面、冷静でいる自分。 何で冷静でいられるのかは、篤がどんな理由でこんな事を言ったのか、ある程度予想が出来たからだ。 おそらく、あの人のせいだろうと。 「……っ」 一瞬開いた口が閉じる。 そして、篤は再びその重たい口をゆっくりと開いた。 「……親父に、ばれたんだ。くだらない事をやるくらいだったら、一流の大学に入れるよう勉強しろってさ。楽譜も全部、捨てられちまったよ…」 体の横で握り締めている拳がその力からか、細かく震える。 俯き答える篤の表情は読み取れない。