同じ音を俺たちと一緒に奏でるんだ。 壁はないに越したことはない。 「えっと、何かすみません。私、話すの苦手でこの話し方もクセになってて…あ、でも、これからは敬語。なくせるようにしますので…」 それじゃあ、ダメですか?と、やはり抜けない敬語でかなでは言った。 「うーん。それなら仕方ないか」 「かなで、敬語がなくなると嬉しいけど、無理はしなくていいからね」 拓弥は少し不満気だが、無理は言えないとバカなりに分かったのだろう。 望もあまり無理は言えないと苦笑する。