日が傾き始めた。 そろそろ、始めたいところだ。 だが、望たちが戻って来ていないから、始める事が出来ないのが現実だ。 拓弥は拓弥でイヤホンをつけ歌を聞き、自分の世界へと入っている。 「…ーい」 その時、聞き覚えのある声が聞こえてきた。 そちらの方を見ると、そこには手を大きく振る望と武内の姿があった。 二人並んで歩く様子に違和感を感じる。 居るはずの人物がない。 かなでの姿が見当たらない。