もう一度。


もう一度、聞きたい。


そして、今度こそはその音に私の声を乗せたい。


純粋にそう思ってしまった。



「もう一度、演奏。お願い出来ますか?」



無意識の内に喉から吐いていた言葉。


速水くんは一瞬だったが、目を見開くとコクリと頷き答えた。


微かに笑みを携えて。


宮田さん、鈴木くんも笑顔で頷いている。



そして、再び演奏が始まった。