「あ、おはよう。かなで」 「おはようございます」 にこやかに挨拶を言われたら、私も返すしか出来ない。 笑顔でお母さんを見つめる。 お母さんはフライパンを手にスクランブルエッグを作っているみたい。 「私も手伝いますよ」 そう言って、愛用しているエプロンを手に取ろうとしたとき。 お母さんがそれを静止した。 「かなではそこに座っていて。ね?」 「は、はい。分かりました」 有無を言わせないその声音に私は頷く事しか出来ません。 リビングのイスに腰掛ける。