未だに頬を膨らませている岡本。 無意識なのだろうが、ほんのりピンクに染まった頬と瞳に溜まった涙によって、その儚さが倍増している。 道行く男がその姿に目を奪われる。 うん、人の目を惹き付ける力も持っているみたいだな。 後は…一番、俺たちにとって重要な事。 「とりあえず、行こうぜ。カラオケ」 俺の心を代弁して拓弥が言った。 ナイスタイミングだ。 彼女の歌声を聞くだけ。