kiss-choco

「……なんて、今更言っても仕方ない、か。ごめんごめん」


片桐くんは体を起こして、気まずくなった空気をかえるように、明るい声で言った。


「ほら、チーズマフィン食べろよ。手つけてないじゃん」


「あ、うん……」


何か、あたしってば今まで酷いコトしてたのかもしれない。

自分勝手だったのは片桐くんじゃなくて、あたしだったんだ。

気軽に付き合って、適当に別れる。

相手の気持ちなんて考えてもみなくて。


ああ、最悪じゃん、あたし。


目の前にある、ころんとしたチーズマフィンをかじる。

美味しいはずのそれは、今は素直に味わえなかった。