kiss-choco

「――――何か、久しぶりだな。こうして鈴奈と歩くの」


並んで歩いていると、片桐くんが楽しそうに言った。


「そうだね。もうずいぶん前だよね」


「もう一緒に歩ける日なんてないかと思ってた」


片桐くんは軽い足取りであたしの数歩前を歩いて、くるっと振り返った。


「どっか寄って、話そうぜ。作戦会議!」


「うんっ」


それから、片桐くんが昔からよく行っていた、駅前のファーストフード店へと寄った。

壁際の隅が片桐くんのお気に入りだっけ。

ちょこっとしか付き合ってない割に、あたしってばよく覚えてるなあ、なんて考えながら、彼の前に座る。


「あ、チーズマフィンがある!」


片桐くんが持ってくれていたトレイにのった、小ぶりなチーズマフィンを見て、ちょっと驚いた。


「鈴奈、ここのチーズマフィン大好きだったろ? だから勝手に頼んでおいた」


片桐くんはにこっと笑って、アイスティーが入ったカップとマフィンをあたしの前に置いた。