kiss-choco

片桐くんの訝しそうな声に、あたしはやる気なく首を振る。


「何か元気ないなー。授業も出てなかったし、どうしたのさ?」


「何でもないよ。ちょっと調子悪いだけだから」


あたしはにこっと笑みを貼り付けて答える。

いちいち本当のこと言ってらんないし、適当に答えておいて早く別れよ。

急いで教室に帰ってやけ食い始めなきゃ。

昼休みはこうしてる間にも終わりに近づいてるんだから。



「ウソ。何か悩んでるだろ?」


片桐くんはふ、と足を止めてあたしの顔を覗き込んだ。


「別に? 心配しなくても何もないよ」


まだ笑みを貼り付けたまま答える。

ちょっとー、早く職員室行こうよ。
朝から飲み物しか口にしてないから、お腹がきゅうきゅう鳴いてるんですけど!


とは言っても、あたしは片桐くんを含め大多数の人たちに大人しいイメージを植え付けてきてるから、
今更イメージを壊すようなそんな事口に出来るはずもなく。


首を小さく傾げながら、困ったような声音でもう一度言った。


「ほら、歩こ?」