kiss-choco

特大カツサンドにクリームサンドメロンパン。デザートに抹茶ババロアまで買って、混雑している購買を出た。


「……ずいぶん食欲旺盛だな」


教室へ向かおうとしたあたしの背に、不機嫌な声。


この声は。
も、もしかして?


「あ、相沢、くん……」


おそるおそる振り返ってみると、まさしく仏頂面の相沢くんがいた。


「いつ学校に来た? 休み時間には見かけなかったけど」


「えと、あの、そのですね……」


うひーーっ。
声がめちゃくちゃ怒ってらっしゃいますけどもーっ!!

どどどどどどどうしよう……。

こんな事態、考えてもみなかったよー。



し。
しかも。


相沢くんの下唇。
向かって右側の辺り。

紫色になってます。
歯形なのか、まるで波縫いしたみたいに赤いミミズ腫れがあるし。


あたしの仕業だーーっ。

こんなに目立つなんて思ってもみなかった。


「ちょっと時間とれるか? 話あるんだけど」


相沢くんは挙動不審のあたしにお構いなしに言う。

話!?

今から!?


イヤ、心の準備も何も出来てないんですぅーー!