kiss-choco

警報機、うるさいっ!


何かわかんないけど、聞きたくないっ。


耳を塞ぎたくて、でも、できない。


聞くの?


嫌だ!

「椿のこ……」


「聞かないっ!」


あたしは叫ぶように言った。


「聞かないっ! 聞きたくないっ!」


「広……」


あたしはずかずかと相沢くんの真正面に行き、体重をかけてぐいっと両腕を引っ張った。


「なっ、おい、広……」


不意をつかれてよろめいた相沢くんの体。
顔がぐ、と近づいた。


あたしはその唇に、

思いっきり


噛みついた。



「だーーっ、痛ぇーっ」


下唇をぐっと噛んでから、顔を離した。


あたしはぎゅっと唇を手の甲で拭い、茫然としている相沢くんに向かって、



「あたしだって、ずっと好きだもん!! 見てたもん! 
今更他の人見てるなんて絶対ダメ!
あたしを見てよ!」


と、叫んだ。


「相沢くんの、バカーーッ!」


ついでにアホも言い足して、
あたしは相沢くんを残して、走り去った。