kiss-choco

「そうか。それは、ありがとう」


「うんうん、そうよ。……ふへ?」


あんまり素直な言い方に、驚いて相沢くんの顔を見ると、いつもの仏頂面じゃない、優しい顔で。


あれ?


なんだこの顔?


「お前、俺の事からかってるだけかと思ってたから。これもそこいらで買ったやつかと思った。
ごめん、ありがとう」


ぺこり、と頭を下げる。


あれ?

あれれ?


これってもしかして……


「ううん、いいのっ、分かってくれたんなら。
でね、あの、あたし……」


絶好の告白チャンスじゃない!?


「相沢くんがね、す……」


「断る」


へ?

今、何て?


「えと、あのね? あたし、相沢くんが……」


「だから、それは断る。お前、実は猫かぶってたんだな。おとなしいフリが上手いな。まさか体当たりかまして文句言うような女だとは思わなかったよ。
そんな女は、お断り・だ」


これは貰っておくけど、とケーキの包みを掲げて、相沢くんは立ち尽くしたあたしを置いて、行ってしまった。