kiss-choco

紗希はそれを思い出したのか、、すごかったわー、と溜め息をついた。


『あいつ、道場の子どもを叱ってる時も、そんな感じだ』


紗希から離れた椅子に座りながら、相沢くんが言った。


『礼儀にはうるさいし、いじめとか大嫌いだしな。男が女をいじめるなんてのは、最も許せないってよく言ってる』


『あたし、あの温和な椿ちゃんがあんな風に怒るなんて衝撃だったんだけど』


『あいつは、怒るとすごいんだ』


『うん、ホントすごいわ』




二人は何をどうしたのか、うんうんと頷きあった。




つ、椿ちゃんって、どんな怒り方するんだろう……。
想像できないんだけど。

ばちーんと平手打ち、なんて、出来そうにないのに。

でも、さっき部屋を出て行くときのあの扉の開け方。
すごい力で押し開いたようなあの音は、相沢くんが倉庫のとびらを開けた音と同じだったっけ。

うーん。椿ちゃんって、実はすごく怖いのかも?


『でね、話は戻るけど、それから懇々と木村にお説教してた。
女の子になんてことを、とか男の子のあり方とか、何かちょっとズレてたけど』


『今も、体育倉庫にいるのか?』


『ううん、落ち着いて話しましょうって言って、剣道場に引きずって行った』