教室に着くと、いつもみたいになぁちゃんが出迎えてくれた。 「おはよう!」 「おはようっ」 「みこ!声治ったんだね!良かった」 喜んでくれるなぁちゃんを素直に受け入れられなかった。 一緒に喜べない。 「あ、うん…」 今日で、最後か…。 なぁちゃんと話すのも、クラスの皆やこの学校の人達とも。 ───……翔太くんとも。 『みこ?』となぁちゃんに言われて、思わず泣きそうになってしまった。 …もうなぁちゃんに名前呼ばれることも出来ないんだ。