あの日以来、翔太くんとは話をしていない。 ただ見つめるだけになってしまった。 もしかしたら、私のことを助けてくれてただけなのかも。 あの優しさも、全部、私が声を出せなかったから。 だから──…。 「みこっ…?」 なぁちゃんに呼ばれて我に返る。 「あ、ごめんね?」 「大丈夫よ!あ、授業始まるね」 そう言いながら自分の席に座り直すなぁちゃん。 次は、自分の担任の先生の授業だった。