私は、急いで家に帰った。 家に入るとお父さんがリビングに座っていた。 あれ、お父さん…仕事は? まだ16時なのに、終わるにしては早すぎない? 「あっ」 お父さんが私の方を向くと、凄く驚いていた。 その後『みこ?』と不思議そうに首を傾げた。 「お、父さ…ん」 私が声を出すと、お父さんはポロポロと泣き出した。 私がお父さんを泣かせたのは、二回目かな。 一回目は ─────……お母さんが亡くなった日。