「その事なのですがね…」



夏野理事長が少し暗い顔で、説明してくださった。



話によると。



ここ最近、天ヶ星学園の生徒の様子がおかしいらしい。



目が虚ろになったり、意味不明な言葉を口走ったり…。



中には、急に体調を崩す者も出て来たらしい。



幸い、すぐに治まるらしいが生徒も保護者も不安を覚えているそうだ。



そこで風の噂で天瀬家の存在を知り、依頼を申しつけたとか。


「しかし…、
ココから天ヶ星学園までは、かなりの距離がありますからね。


……天瀬さんに毎日見回りをお願いするには---。」



夏野理事長が複雑な表情を見せる。



確かに、天ヶ星学園は東京だ。



神奈川の天瀬家からだとかなり距離がある。



いくら繁ジィでも、毎日見回りはキツくないか…?



すると。



繁ジィがふと思いついたように、私を見た。


「-ご安心ください。


確かに私は毎日見回りには行けませんが…


1つ方法があります。」


「はい……?」


繁ジィは私に右手の手のひらを向けて、







「孫娘の静夜を、そちらに転校させる事です。」









…………はぁっっ!!?






繁ジィの返答に、思わず繁ジィの方を見る。



繁ジィはそれはもう、ニッコリと微笑んでいた。