「キャ------!?」


傍にいた女が悲鳴を上げると……



「俺の言うことを聞け--!!

電車は止めんなよオラァ!!」



……で…………


電車ジャック-----!!?



果物ナイフを片手に持った大柄の男が私を引き寄せて叫んだ。



当然、周りの乗客がざわめく。



ちょっ………



もしかしなくても私、人質!?



「○○まで止まるんじゃね-!!

この女がどうなってもいいのか--!!」


大柄男が果物ナイフで周りを威嚇する。


「お……
お客様、落ち着いて………!!」


「うるせぇ!!
さっさと運転手に連絡しろ--!!」


同乗していた係員が宥めるも、男は聞く耳を持たない。



うっ……、

コイツ、息臭い……。


オマケになんか汗臭い……。



ナイフ野郎←(命名)の匂いに息が詰まりそうになるも、なんとか気力で大人しくする。




プァ----ン……






「え、

……………あぁ-----!?」


電車が私の降りる所を通り過ぎ、思わず大声を上げる。



う……ウソん………。



学校、遅刻決定………!?



「おい!!
動いてんじゃねぇ、このアマ--」



--ビシィッ!!





「いっ………!?」



私の手刀に男のナイフが落ち……




「…なにしてくれんだ----!!」




バキィッッ!!



「ぐぇ………っ!!?∑」



私の蹴りがナイフ野郎に見事当たり………



壁に激突した。