後ろに振り向けば、沙那が部屋を覗き見するように私を見ていた。


気づかれた沙那は、慌てたように出てきて、


「も、申し訳ありません。


お夕飯が出来ましたので、お呼びにきたのですが……。


まだお取り込み中のようでしたから………。」


「いや、今終わったから大丈夫。



…ご飯、食べよっか。」

「はいです。」


沙那に続いて、私は部屋を出た。





* * *


ダイニングでは、沙那と向かい合って食事をしている。


洋館だから、部屋の見た目は英国風なんだが、意外と和食も出したりする。



「あの……主様。」

「ん?」

「その……、
バレてしまったと言う、男子生徒なのですが……。」


「ああ……、
氷室の事ね。」



恐らく、さっきの会話を聞いていたのだろう。



沙那が半分オドオドした感じだったので、気にするな、と先に言う。



私の返事に沙那は安心したらしく、話を進める。



「その氷室とか言う方ですが……。

…バレたと言う事は、主様の本当のお姿を見たのですよね…?」


「?
そりゃあ…な?」


沙那の言いたい事が分からず、首を傾げる。



何で私の姿が、不安になるんだ?


「その方に、何かされてませんか?


その……襲われたとか…。」

……………………。

何の心配してるんだ…。



「…大丈夫だ。
男1人位、返り討ちできる。」