『…ふむ。


やはり、向こうは荒ぶる妖怪が多いようじゃな。

その調子で、守るんじゃ。』


「…はい。」


『…時に静夜。
今日は1人の男子生徒にバレたようじゃのう?』

「う゛っ……」


い……痛い所を……っ。


そーいえば、繁ジィは千里眼の持ち主だった…。


あ、

千里眼ってのは、遠い所を見る事が出来る力の事。



簡単に言えば、一種の透視能力ってやつ?


…繁ジィの千里眼のせいで、昔何度イタズラがバレては説教をされた事か………。



『周りの気配に気づかんとは……。


まだまだ、精進が足りんようじゃのう～。』



…出た、ジジィの嫌み攻撃。


ムカつく……


ムカつく……けどっ、


…気づけなかったのは、私のミスだ。




正論だから、反論出来ない……。


『それで、その男子生徒に何かされておらんだろうな?』


「あぁ、
それなら大丈夫。
口止めしたから。」

『………………。』


…ん?
何故そこで黙る?



『…、
まあ、口止めしておるなら良い。


後で報告書出すんじゃぞ。』


「分かってる。
…じゃ、切るよ。」


繁ジィの会話が切れた所で、気配が感じた。


「…沙那?
どうかした?」