『オオォ~ン…!』




怒り狂った霊がモヤを集めて構える。


それを見た私は、
両手に霊力を集めて『呪具』である弓を出して構える。



気で生まれた矢を引き、霊に狙いを構える。



霊が集めたモヤがより一層濃度を増していくのが分かる。





「この地を汚し、汚れし魂を持つ者よ」




呪文を唱え、霊力を矢に注ぐ。


矢が霊力に反応して、水色に輝く。



同時にモヤが目の前に襲いかかってくる。




「我が力を以て、
無へと浄化し、天へと還れ!!」



矢を放ち、モヤを浄化して霊に刺さる。


『オオォーーーン!!』



霊は叫び声を上げ、光と共に消え去る。



「……っ、
終わったか……。」


安全を確認した私は、再び印を組んで呪文を唱える。



屋上を覆っていた邪気が、呪文によって晴れていく。



結界を解除して、
フラフラとフェンスに寄っ掛かった。




初日でコレか…。




思ったより、
苦戦しそうだ………。





軽く息を整えて、
ボーっとこれからの事を考える。





それがいけなかった。










「………そ……なた…………?」