本当にバカ。 救いようもないわよ。 「ごめっ……ね…ごめんね、夏希ちゃんっ……」 信じてあげなくて。 辛かったでしょ? どんな気持ちだったの? どんな気持ちで、私から離れていったの? 心は今にも駆け出しそうだけど、身体が追い付いていかないの。 足が、筋肉が、細胞が、悲鳴をあげてるの。 「……恋那……?」 その懐かしい声に、私はハッとしながら振り返る。 その瞬間、涙があふれでてきてしまった。