3月に入ると、

日に日に絢の様子がおかしい。

いや、かなりおかしい。


俺を見る度、

気持ち悪い程、ニコニコしている。

まぁ、大体の予想はつくけど。



学校からの帰り道。

大きな交差点でいつもと同じく

手を繋いでの信号待ち。


信号機を見ている俺の顔を

ひょこっと可愛らしい顔で覗き込まれると、


―――――――チュッ

「ッん!!//////」


思わず、キスしたくなり

人目も気にせず、絢の唇を奪う俺。


そんな絢は一瞬で真っ赤になり、

人目から逃げるように俺の胸へ

飛び込んで来る…………はず。


「もう!!////慧くんのバッ////」


―――――――ボスッ


俺の予想通り、飛び込んで来たが…

何気に語気がおかしくなかったか?

『バッ』って聞こえた気が……。