「失礼致します」
背後から声がかかり振り返ると、
女性スタッフが希和に話しかける。
「京夜様」
「ん?どうした?」
「桐島様が私をステージ上にお呼びだそうです」
「はっ?」
「どういう事でしょうか?」
「………」
困惑の表情で俺を見つめる希和。
スタッフも戸惑いの表情を浮かべてはいるが、
一番戸惑っているのは、この俺だ!!
母親の企みは恐らくこれに違いない。
この場で退席する訳にも行かず……。
「ステージ上で何をするのですか?」
俺は不安材料を減らそうとスタッフに尋ねると、
「桐島様がお連れ様に合う花をその場で生けるパフォーマンスにございます」
「………なるほど」
以前、俺が観たものときっと似た感じのものだろう。
「希和」
「はい」
「大丈夫だ。行って来い」
「えっ?」
「じっとしてるだけで大丈夫だから」
「本当ですか?」
「あぁ」
俺の言葉でも半信半疑の彼女は
半ば強引にスタッフに誘導されステージ上へと向かって行った。



