無自覚な彼の誘惑



『…美味しい』



「あはは、ありがと。お世辞でも嬉し…」



『いや、ホントに美味しい。俺今生まれて初めてチョコ美味いと思った!』



「ふふっ。なにそれ。大袈裟、すぎ…だ…よ…っ」





『…えっ!?な、何で泣く!?俺何かした!?』



「ふぇっ…ば、ばかぁ~…優しすぎるだろぉ~…っ」




『えぇぇ?え、いやだって本心だし、料理苦手な彼女が自分のために作ってくれたチョコなんだよ?嬉しいに決まってんじゃん!

てかどの女の子のクッキーより、お前のいびつな形のチョコケーキの方が嬉しいんだけど』




「い、いびつって…っばか…大好きだよもお~…っ!」



『…っ、デレ来たぁ~~~~ッッ!!!
抱き付いて来たぁ~~~~ッッ!!!』



「ふえぇ~ん…っ」



『泣いてる彼女カワユスーーーっ!!
まじこっち食べたいんですけどーーーっ!!』