どうして。
どうして、そんなにやられてるのに立ち上がるの?




「紗良!
思い出せ!
全て、思い出せ!」




どうして、私の名前を知ってるの?
どうして、そんなに悲しい顔をするの?




どうして、どうして……。




バァァァアアアン!!




は!?




「ほら、立てよ、千覇。」




……千覇。




『紅弥。
ごめんな、紅弥。』


『紗良、お仕置きしてあげようか?』




……知ってる。
私、この人を知ってる。




『千覇。』


『利來。』