「紗良!」 「大丈夫、大丈夫だから。」 「っ、ごめんな。 俺はお前の兄貴なのに何もしてやれなくて。」 お兄ちゃん……。 「そんな事言わないでよ。 お兄ちゃんは私の憧れなんだから。」 小さい頃からずっとずーっと憧れなんだから。 「よし、じゃあ、そのお兄ちゃんがお前の手当をしてやる。 ほら、急いで帰るぞ。」 「うん!」