”オモテの愛” そして ”ウラの愛”


封の開けていない煙草の箱、腕時計、写真集。

目につかないようにしまった物たち。

綺樹の吸っていた煙草。

綺樹からもらった腕時計。

そしてお気に入りの写真集。

涼は久々に写真集を手に取る。

部屋に置いてある、建築家が設計したカウチソファーに足を伸ばして座った。

今夜はここで明かそう。

いくら時間が経っても、ベッドに行けば綺樹の肩を掴み引きずり寄せ、綺樹の気持ちにおかまいなしに始めてしまうだろう。