「おまえも結構、家族思いだよね」 フェリックスの父親が自分の職業から、表世界で一定の地位を得ることの願い。 更に、将来結婚をするであろう、妹への思い。 それらを見抜いたのだろう。 フェリックスは無言を貫いた。 「なるほど、なるほど。 下手に私を処分して、ウルゴイティの女と結婚する羽目になるよりも、二頭政治のほうがおまえも都合がいいな。 なんせサラとの関係が続けられる」