「何もしないから」 「しているじゃないか」 「この位、している内に入らないだろう」 「遊び人」 「おまえにとって、だ」 かすかに笑いながら涼は呟いた。 涼の状況を思うと、今は突き飛ばすという無下な事ができなかった。 綺樹は重さを感じながら、天井を見つめる。 「いいスピーチだった。 即興にしては」 また涼が少し笑った気配がした。