* 祖父が死んだのは、涼が家を飛び出して3日後だった。 成介から連絡をもらって、駆けつけた時には、既に息を引き取っていた。 部屋に飛び込むと、枕元に立っていた綺樹が顔を向ける。 涼が歩み寄ると、後ろに退いて場所を開けた。 「ごめん。 間に合わなくて」 祖父を見降ろして涼は呟いた。 「おまえが、こっちに向かっているって言ったら、ちょっと笑っていた。 十分、嬉しかったと思う」 いつも通り、胸にすとんと落ちる声が背後からした。 半分だけ顔を向けると、微妙に焦点を外した、静かな目と合う。