”オモテの愛” そして ”ウラの愛”


涼も苦笑した。


「頭、大丈夫か?」


そっと指で頭をなぜると、コブができている。

綺樹が顔をしかめた。


「痛い」

「冷やした方がいいかな」


綺樹は自分で触ってみた。


「まあ、このぐらいなら大丈夫だろう」


手を下ろして涼を再び見上げた。


「お気に入りの愛人に裏切られたでもした?」

「は?」


涼は思わず間抜けな声を出した。


「おまえらしくないから。
 どうしたんだ?」


綺樹にとって自分らしいってどんなだ。

涼は固まって綺樹を見つめた。