目の端に見えた鏡に、綺樹の逃げていく背が写った。 涼も身を翻した。 置きそこなったグラスが割れる音が背後でした。 やめろともう一人の自分が警鐘を鳴らしても、もう止まらなかった。 逃げる綺樹の背に手を伸ばす。 バスローブの帯に手をかけ、引きずり寄せた。 綺樹が身を捩る。 それを突き飛ばすと、綺樹の頭が壁に激突した。 半分気を失いかけて、崩れていく。