* 「ひどすぎる」 綺樹のため息交じりの呟きにフェリックスは返答しなかった。 「中世どまりだ。 一体、お前たちは近代社会の時代、何をしてたの?」 皮肉ると、じろりと睨まれた。 「私は関係ない」 「うわっ。 言ったね」 むっとした顔になっている。 フェリックスも綺樹が当主となって、初めて当主補佐としてここに来たのだから、言い分はもっともだ。 しかもウルゴイティの血は一滴も流れていない。 たまたまフェリックスの父親の妹が、ウルゴイティの血縁と婚姻関係になっただ けだ。